技術開発戦略の立案(全22問中7問目)

ジェフリー・A・ムーアはキャズム理論において,利用者の行動様式に大きな変化をもたらすハイテク製品では,イノベータ理論の五つの区分の間に断絶があると主張し,その中でも特に乗り越えるのが困難な深く大きな溝を"キャズム"と呼んでいる。"キャズム"が存在する場所はどれか。

出典:令和3年春期 問69

  • イノベータとアーリーアダプタの間
  • アーリーアダプタとアーリーマジョリティの間
  • アーリーマジョリティとレイトマジョリティの間
  • レイトマジョリティとラガードの間
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分野:ストラテジ系
中分類:技術戦略マネジメント
小分類:技術開発戦略の立案
解説
革新的な商品・サービスなどのイノベーションの普及に関する理論に「イノベータ理論」というものがあります。この理論では、商品購入の態度を新商品購入の早い順に5つの層に分類しています。
イノベータ(Innovators:革新者)
冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。
アーリーアダプタ(Early Adopters:初期採用者)
流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。他の消費層への影響力が大きく、オピニオンリーダーとも呼ばれる。
アーリーマジョリティ(Early Majority:前期追随者)
比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。ブリッジピープルとも呼ばれる。
レイトマジョリティ(Late Majority:後期追随者)
比較的懐疑的な人。周囲の大多数が試している場面を見てから同じ選択をする。フォロワーズとも呼ばれる。
ラガード(Laggards:遅滞者)
最も保守的な人。流行や世の中の動きに関心が薄い。イノベーションが伝統になるまで採用しない。伝統主義者とも訳される。
イノベーションの普及においては、イノベータとアーリーアダプタで構成される初期市場で受け入れられても、アーリーマジョリティ以降で構成されるメイン市場に普及させるのが難しいと知られており、キャズム理論では、このアーリーアダプタとアーリーマジョリティの間に存在する乗り越えるのが難しい溝を「キャズム」と呼んでいます。

したがって「イ」が正解です。

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