知的財産権(全25問中4問目)
No.4解説へ
プログラムの著作物について,著作権法上,適法である行為はどれか。
出典:令和5年秋期 問78
- 海賊版を複製したプログラムと事前に知りながら入手し,業務で使用した。
- 業務処理用に購入したプログラムを複製し,社内教育用として各部門に配布した。
- 職務著作のプログラムを,作成した担当者が独断で複製し,他社に貸与した。
- 処理速度を向上させるために,購入したプログラムを改変した。
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解説
- 違法な行為です。著作権を侵害する行為によって作成されたプログラムの著作物の複製物を、その事情を知りながら業務で使用した場合、著作権侵害行為とみなされます。
- 違法な行為です。著作物を複製することは複製権、著作物を配布することは頒布権として、それぞれ著作権者だけに認められる権利です。承諾を得ずにこれらの行為を行うと著作権侵害行為となります。
- 違法な行為です。業務上作成したプログラムの著作権は、原則として法人に帰属します。作成した担当者は著作権者ではないので、勝手に貸与すると法人の著作権(貸与権)を侵害することになります。
- 正しい。プログラムを効果的に実行できるようにするための改変は、著作権法で認められています。
プログラムの著作物を改変して使用することは、原則として、著作者の同一性保持権を侵害する行為として著作権法で禁止されます。しかし、例外的に次の4つのケースでは、著作権者の承諾なしに改変することが認められています。- 学校教育の目的上やむを得ない改変
- 建築物の増築、改築、修繕、模様替えによる改変
- 本来は利用できないコンピュータでプログラムを実行できるようにする、またはプログラムを効果的に実行できるようにするために必要な改変
- その他、著作物の性質、その利用の目的や態様に照らしてやむを得ない改変
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