令和元年秋期試験問題 午前問10
問10解説へ
容量がaMバイトでアクセス時間がxナノ秒の命令キャッシュと,容量がbMバイトでアクセス時間がyナノ秒の主記憶をもつシステムにおいて,CPUからみた,主記憶と命令キャッシュとを合わせた平均アクセス時間を表す式はどれか。ここで,読み込みたい命令コードがキャッシュに存在しない確率をrとし,キャッシュメモリ管理に関するオーバーヘッドは無視できるものとする。
- (1-r)・aa+b・x+r・ba+b・y
- (1-r)・x+r・y
- r・aa+b・x+(1-r)・ba+b・y
- r・x+(1-r)・y
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解説
メモリの平均アクセス時間に関する問題は頻出です。この種の問題はメモリの容量を問題文にいれたり、存在しない確率をrとしてみたり、受験者を戸惑わせようとする目論見が見えますが、主記憶の平均アクセス時間の求め方は、
キャッシュメモリのアクセス時間×ヒット率+主記憶のアクセス時間×(1-ヒット率)
なので、メモリの容量は関係ありません。ここで立式に係る値は次の4つです。
一般にキャッシュメモリ容量が大きくなればヒット率は上昇するはずです。したがってヒット率を計算するときにはキャッシュメモリと主記憶の容量が計算要素として使われることになります。しかし、この問題の場合はヒット率が定数として問題文の条件に示されているので、各メモリ容量を計算式に含める必要はない訳です。
キャッシュメモリのアクセス時間×ヒット率+主記憶のアクセス時間×(1-ヒット率)
なので、メモリの容量は関係ありません。ここで立式に係る値は次の4つです。
- キャッシュメモリのアクセス時間=x
- ヒット率=存在しない確率の逆なので (1-r)
- 主記憶のアクセス時間=y
- ヒットしない確率=r
一般にキャッシュメモリ容量が大きくなればヒット率は上昇するはずです。したがってヒット率を計算するときにはキャッシュメモリと主記憶の容量が計算要素として使われることになります。しかし、この問題の場合はヒット率が定数として問題文の条件に示されているので、各メモリ容量を計算式に含める必要はない訳です。
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