平成31年春期試験問題 午前問14

キャッシュサーバを利用した検索処理の平均応答時間は,キャッシュサーバでヒットした場合には0.2秒,ヒットしない場合には2.2秒である。現在の平均検索応答時間は,1.0秒である。3年後のキャッシュサーバのヒット率は,検索量の増加によって現状の半分になると予測されている。3年後の平均検索応答時間は何秒か。ここで,その他のオーバーヘッドは考慮しない。

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分野:テクノロジ系
中分類:システム構成要素
小分類:システムの評価指標
解説
設問は検索処理の平均応答時間を問うものですが、メモリの平均実効アクセス時間の考え方をそのまま利用できます。

キャッシュメモリにヒットした場合のアクセス時間と、しなかった場合のアクセス時間、及びヒット率と平均実効アクセス時間には以下の関係があります。

平均実効アクセス時間=キャッシュメモリのアクセス時間×ヒット率+主記憶のアクセス時間×(1-ヒット率)

このアクセス時間を応答時間に置き換えて考えることで、ヒット率(h)を求めることが可能です。

 1=0.2×h+2.2×(1-h)
 1=0.2h+2.2-2.2h
 2h=1.2
 h=0.6

3年後のヒット率は現状の半分になるので「0.6÷2=0.3」になります。このヒット率0.3を上記の公式に当てはめて、平均検索応答時間を計算します。

 0.2×0.3+2.2×(1-0.3)
=0.06+1.54
=1.6(秒)

したがって「ウ」が正解です。

【別解】
ヒット率(h)を直接求めずに答えを導くことも可能です。

現状の応答時間は
0.2×h+2.2×(1-h)=1.0 …①

3年後のヒット率は現状の半分になるので h/2 です。3年後の平均応答時間を t とすると、
0.2×h/2+2.2×(1-h/2)=t …②

①-②×2
-2.2=1.0-2×t
2×t=3.2
t=1.6(秒)

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