応用情報技術者合格を目指すとき最初に悩むのが参考書選びです。基本情報の「猫本」のように定番中の定番は存在しないので、どの本を選ぶかが重要になってきます。
応用情報技術者試験 おすすめ参考書・問題集
※最終更新日:2024年11月7日
基本テキストは年1回のペースで改訂が行われ、新刊の発刊時期は各社とも毎年12月頃となっています。
資格試験の勉強をするに当たって、参考書の選択は最初に迷う問題です。参考書選びが合格までの勉強時間を決めると言ってもいいくらいの重要性を持っています。自分に合うテキストであれば、いち早く合格ラインにたどりつくこともできたり、自分に合わない参考書では、すべての範囲を学習し終えるまでに挫折してしまうこともあるのです。あなたのパートナーとなる1冊を真剣に選んでいきましょう。
現在、応用情報技術者試験向け対策テキストのうち、売れ筋として紹介したいのは次の4冊です。
- 令和07年【春期】【秋期】 応用情報技術者 合格教本
- 徹底攻略 応用情報技術者教科書 令和7年度
- キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 令和07年
- 2025 応用情報技術者 午後問題の重点対策
この中で、私が独学で勉強した経験と実績、そして使用した皆さんの評価を踏まえておすすめするのは合格教本シリーズです。
私が購入するときにこの本とどちらにしようか迷ったのが、「やさしい応用情報技術者講座」という書籍でした(現在は発売されていません)。この本は解説が"猫本"や"キタミ式"のように平易でわかりやすく出題頻度の高いポイントだけを掲載している本でした。立ち読みした時も内容が基本情報で学んだことばかりで「スイスイ読み進められそうだ」と感じたのを覚えています。逆にその時は範囲の隅々までカバーしている「合格教本」は少々骨太の書籍に感じました。
しかし私は考えました。応用は基本と違い難易度が一気に上がるということを耳にしていたので、果たして「やさしい応用情報技術者講座」でいいのだろうかと。私は悩んだ結果「合格教本」を購入することにしました。
私が悩んだ挙句「合格教本」に決めた理由は、
理由1 ほぼすべての出題範囲をカバー
各分野で要点となるポイントはもちろん、出題回数の少ないものについても欄外やコラムなどで事細かに説明がなされています。この本の情報量は本当に素晴らしく情報処理技術者試験に関する辞書としても使えるほどです。
一見情報が多く学習につまづきそうですが、この本の内容を一通り勉強すれば、すぐに本試験の問題にも対応できるレベルになっているはずです。平易な参考書にありがちなテキスト内容と過去問題のレベルの差に愕然とすることもありません(私が「やさしい応用情報技術者講座」の購入を断念した理由もここにあります)。
応用情報は難しいとわかっていたので、「合格教本」で試験範囲のすべてを勉強しようと決めたわけですが、結果的にこの判断は正しかったと思っています。私自身この本1冊の勉強で午前・午後問題ともに過去問題を解けるレベルまで持っていくことができました。
理由2 過去問演習ソフトがついている
この本には過去の本試験午前問題に挑戦できる問題演習アプリ「DEKIDAS-WEB」が提供されています。詳しい解説まではないのですが、過去19回分の問題演習をインターネット上ですることができます。自信がある人なら過去問集を買わなくてもこの本一冊で合格ラインまで持っていくことができると思います。
理由3 評判と実績
Amazonのレビューでの評価でも大半がいい評価(私が購入した2010年当時)でしたし、「合格教本シリーズ」はソフトウェア開発技術者試験時代から出版されています。歴史が長くこの試験の参考書の中では定番という評判がついているらしいので、この参考書を選んでおけば大きな失敗はないだろうと考えたのです(実績がない本を選んでしまい、最初からつまずいてしまったら合格までの道のりも無駄に険しくなってしまうという思いもありました)。
※合格教本を買う方には一つ注意点があります。それは本の序盤「基礎理論」の章が度を超えて難しいということです。過去問題を解くとわかるのですが、その難しいと感じる部分のほとんどが出題されません。したがって軽く流し読みして次に進みましょう。
こんなことを言ってしまえるのも、私自身、何度もノートに書いて頭に叩き込んだ「基礎理論」の内容が、実際の試験ではさほど役に立たなかったという苦い経験があったからです。
さらに合格への壁となる午後試験対策には、「午後問題の重点対策」がおすすめです。
本の構成はまず過去問の前に必要な知識のまとめと、各分野に関連する午前問題の演習からはじまり、その後、午後問題の演習&解説に移っていきます。収録されている問題は他の区分の試験を含めた過去問題がほとんどですが、通常の過去問題集と異なるのは試験に合格するための問題の読み方と採点者に評価される記述の仕方がきっちり論理的に(しかも丁寧な語り口で)説明されていることです。
収録されている問題はかなり昔の問題もありますが11の分野からそれぞれ5~8問ずつです。さらに問題の解説だけでなく、午後問題で問題を選択するときの心構え、回答のポイントなどが随所に散りばめられていて非常に参考になります。これらを読むことで、出題予想のできない午後試験に計画性を持って臨めるようになることが、この参考書の大きな魅力となっています。
注意点は、ボリュームが相当ありページの大半が文章で埋め尽くされているので、まともに全部やっていたらとても終わらないことです。なので最初は自分の「得点源にしたい得意分野」からはじめ、選択予定の分野ごとに進めていくことが効率的に得点力を養うコツとなります。
最初から参考書や問題集を2冊購入するようなことはしなくてもよいと思いますが、午後問題に特化した対策本がほしい人は選択肢の一つとして考えてもいいと思います(解説は詳細ですが、「午前レベルの基礎習得済みが前提」の本です)。
※ちなみに午後問題の重点対策は毎年11月下旬に新刊が発売されるため、秋期試験前の9~10月にはネット通販でも品薄状態になります。なので購入予定の方は早めに手に入れるのが吉です。
応用情報技術者試験 おすすめ問題集
参考書は年に1回(年末)の発売が通常ですが、問題集は、春期試験対策版・秋期試験対策版と年2回の新刊が発売されます。
現在販売されている多くの問題集の中でも、具体的に人気上位というと以下の4点になるかと思います。
- 2025 応用情報技術者 総仕上げ問題集(ITEC)
- 令和07年【春期】 応用情報技術者 パーフェクトラーニング過去問題集
- うかる! 応用情報技術者 [午後] 速効問題集
- 令和06-07年 応用情報技術者 試験によくでる問題集【午後】
問題集は過去問題を中心に解説してある書籍と予想問題を中心に扱っている書籍に分かれます。基本情報までは過去問題集の割合が高かったのですが、応用情報では予想問題集の数が多いように感じます。応用情報では午後試験が難しいため様々な問題を解き応用力を養いたいという学習者の気持ちを反映しているのかもしれません。
この中で私の一押しは「総仕上げ問題集(ITEC)」です。基本情報技術者試験までは過去問題集が豊富にあるのですが、応用情報技術者では春・秋と年2回改訂されている書籍は、技術評論社の「パーフェクトラーニングシリーズ」とアイテックの「総仕上げ問題集シリーズ」しかありません。ゆえに2択となってしまうのですが、パーフェクトラーニング過去問題集には大きな欠点があるため、事実上、総仕上げ問題集(旧・徹底解説シリーズ)を選ぶことが賢明な選択となります。
パーフェクトラーニングシリーズの欠点とは、書籍内で解答と示されているものが公式模範解答と異なっていることがある点です。記述問題だけではなく「ア」「イ」などの記号解答問題でも不一致が散見されます。これでは学習者が迷ってしまいかねません。原因としてはパーフェクトラーニングシリーズの発売日が午後の模範解答の発表日とほぼ同じ時期であるため、解説者が模範解答を考慮せずに独自の見解(あるいは資格予備校等の模範解答)だけで解説を執筆しているからだと思います。また、午後の解説についても十分とはいい難い内容で、(手前みそになりますが)本サイト内の解説の方が詳しく説明しているのではないかと思うくらいです。
一方、総仕上げ問題集シリーズは値段が高く、最新の過去問解説はダウンロード形式とはなりますが、模範解答に準拠した解説を展開しており、また受験者が陥りやすいポイントを押さえるなど本格派の過去問題集です。解説の文字量が多く、読み進めるのが大変といったきらいはありますが、解説を読むことで確実に理解が深まります。午後問題の重点対策と併用することで、試験の最新動向を踏まえたさらなる実力アップが望めるでしょう。
もちろんパーフェクトラーニングシリーズを使ったからと言って合格できないわけではありませんので、誤解のないようにお願いいたします。事実、私は受験時にパーフェクトラーニングシリーズを使いました。
予想問題集については重点対策や過去問題集で学習した後にお好みで購入してもいいでしょう。
また、Googleが提供するサービスGoogleBookではいくつかの参考書や問題集を50ページ程度プレビューできるので購入する本を吟味するのに役にたちます。(→GoogleBooks 応用情報技術者)さあ、あなたはどの本を選んで応用情報技術者試験の合格を目指しますか?
おすすめの応用情報技術者対策本は、
- テキストの定番は「合格教本」
- 問題集はアイテックの総仕上げ問題集
- 午後対策には午後問題の重点対策