情報システム戦略 (全55問中14問目)
No.14
TCOの算定に当たって,適切なものはどれか。
出典:令和元年秋期 問62
- エンドユーザーコンピューティングにおける利用部門の運用費用は考慮しない。
- システム監査における監査対象データの収集費用や管理費用は考慮しない。
- システム障害の発生などによって,その障害とは直接関係のない仕入先企業が被るおそれがある,将来的な損失額も考慮する。
- 利用部門におけるシステム利用に起因する,埋没原価などの見えない費用も考慮する。
分類
ストラテジ系 » システム戦略 » 情報システム戦略
正解
エ
解説
TCO(Total Cost of Ownership)は、ある設備・システムなどを取得してから廃棄に至るまでに発生するコストの総額を表します。総所有コストとも呼ばれます。特にITシステムでは購入金額や利用料金以外にもライフサイクルを通して様々なコストが生じるため、全体のコストを総合的かつ正確に把握することが効果的な投資判断につながります。
TCOは、初期投資額であるイニシャルコストと、維持管理費用であるランニングコストに大別できます。
TCOは、初期投資額であるイニシャルコストと、維持管理費用であるランニングコストに大別できます。
- イニシャルコストの例
- ハードウェア購入・設置費用、パッケージソフトの購入費用・開発費、初期教育費など
- ランニングコストの例
- 保守・サポート契約費、ライセンス料、運用人件費、消耗品費など
- 運用費用はランニングコストなのでTCOに含めます。
- システムに関する管理費用なのでTCOに含めます。
- 将来的に自社で負担することが予定される損失額はTCOに含めるべきですが、システム障害と直接関係のない別の企業が被る損害額までTCOには含める必要はありません。
- 正しい。埋没原価とは、過去に支出された費用や、意思決定の内容にかかわらず回収できない費用のことです。例えば、従来使用していた設備の減価償却費、旧設備の除却損、ユーザーサポートに伴う機会損失などが埋没原価に該当します。TCOの算定に当たっては、実際の支出として反映される費用の他にも埋没原価を含める必要があります。