応用情報技術者平成23年特別 午前問64

問64

共通フレーム2007によれば,要件定義プロセスで行う作業はどれか。
  • 開発,運用,保守に関する工数を予測し,システム実現のための費用を見積もる。
  • 業務を構成する機能及び機能間の情報の流れを明確にする。
  • 経営上のニーズ,あるいはシステム化を必要とする業務上の課題を確認する。
  • 現行システムの資産である画面,帳票,ファイル,データの調査を行う。

分類

ストラテジ系 » システム企画 » 要件定義

正解

解説

共通フレーム2007(SLCP-JCF 2007)は、情報サービス業において取得者と供給者の「共通の物差し」として用いることで、相互理解の推進・市場の透明性を高めることを目的として策定されている標準的な規範となる基準です。

この基準の中でシステム開発及び委託・受託に係る項目は「主ライフサイクルプロセス」としてまとめられています。以下に「主ライフサイクルプロセス」を構成するプロセスを列挙しておきます。
契約関連のプロセス群
取得プロセス,供給プロセス,契約の変更管理プロセス
システム開発関連のプロセス群
企画プロセス,要件定義プロセス,開発プロセス,運用プロセス,保守プロセス
共通フレーム2007の定義によると、要件定義プロセスの目的は「新たに構築する(あるいは再構築する)業務,システムの使用を明確化し,それをベースにIT化範囲とその機能を具体的に明示することである」と説明されており、主に以下の6項目のタスクを実施します。
利害関係者のニーズの識別と制約事項の定義
利害関係者から提示されたニーズ及び要望を識別し,整理する。また制約事項があれば定義する。
業務要件の定義
新しい業務のあり方や運用をまとめた上で,業務上実現すべき要件を明らかにする。
例えば業務内容(手順・入出力情報など),業務特性,業務用語,外部環境と業務の関係,授受する情報などを記述する。
新組織及び業務環境要件の具体化
業務要件の中から、新組織の構成,要員,規模等の新組織に対する要件を具体化する。また導入方針,計画,及びスケジュールを明確にする。
機能要件の定義
業務要件を実現するために必要なシステムの機能を明らかにする。
非機能要件の定義
業務要件を実現するために必要な機能要件以外の要件(非機能要件)を明らかにする。非機能要件には、JIS X 0129-1(ISO/IEC 9126)「ソフトウェア製品の品質」に挙げられている「品質特性」が援用できる。
スケジュールに関する要件の定義
定義した要件を実現するためのシステムの運用開始時期など,スケジュールに関する要件を定義する。
問題に戻ると選択肢の中で「業務を構成する機能及び機能間の情報の流れを明確にする」が、要件定義プロセスにおける「業務要件の定義」のタスクに該当するので、これが正解となります。
  • 企画プロセスの「システム化計画の立案」で行う作業です。
  • 正しい。要件定義プロセスで行う作業です。
  • 企画プロセスの「システム化構想の立案」で行う作業です。
  • 企画プロセスの「システム化構想の立案」で行う作業です。
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