応用情報技術者過去問題 令和元年秋期 午後問2
⇄問題文と設問を画面2分割で開く⇱問題PDF問2 経営戦略
スマートフォン製造・販売会社の成長戦略に関する次の記述を読んで,設問1~4に答えよ。
B社は,スマートフォンの企画,開発,製造,販売を手掛ける会社である。"技術で人々の生活をより豊かに"の企業理念の下,"ユビキタス社会の実現に向けて,社会になくてはならない会社となる"というビジョンを掲げている。これまでは,スマートフォン市場の拡大に支えられ,順調に売上・利益を成長させてきたが,今後は市場の拡大の鈍化に伴い,これまでのような成長が難しくなると予測している。そこで,B社の経営陣は今後の成長戦略を検討するよう経営企画部に指示し,同部のC課長が成長戦略検討の責任者に任命された。
〔環境分析〕
C課長は,最初にB社の外部環境及び内部環境を分析し,その結果を次のとおりにまとめた。
(1) 外部環境
C課長は,環境分析の結果を基に,ビジネスbの一つである成長マトリクスを図1のとおり作成した。図1では,製品・サービスと市場・顧客を四つの象限に区分した。区分に際しては,スマートフォンを既存の製品・サービスとし,スマートフォン以外の機器を新規の製品・サービスとした。また,現在販売ルートのある市場の若齢者層を既存の市場・顧客とし,それ以外を新規の市場・顧客とした。 当初,C課長は,成長マトリクスを基に外部環境に加えて内部環境も考慮して検討した結果,②第2象限と第4象限の二つの象限の戦略に力を入れるべきだと考えた。しかし,その後③第4象限の戦略に関するB社の弱みを考慮し,第2象限の戦略を優先すべきだと考えた。
〔投資計画の評価〕
第2象限の一部の戦略については,すぐにB社で製品化できる見込みのものがある。内部環境を考慮すると,これについてもB社で企画,開発,製造を行うことで,dによるメリットが期待できる。
C課長は,この製品化について,複数の投資計画をキャッシュフローを基に評価した。投資額の回収期間を算出する手法としては,金利やリスクを考慮して将来のキャッシュフローをeに割り引いて算出する割引回収期間法が一般的な方法であるが,製品の陳腐化が早いので簡易的な回収期間法を使用することにした。また,回収期間の算出には,損益計算書上の利益に④減価償却費を加えた金額を使用した。製品化の投資計画は,表1のとおりである。 投資額は投資年度の終わりに発生し,利益と減価償却費は各年内で期間均等に発生するものとして,C課長は表1を基に,回収期間をf年と算出した。
B社は,スマートフォンの企画,開発,製造,販売を手掛ける会社である。"技術で人々の生活をより豊かに"の企業理念の下,"ユビキタス社会の実現に向けて,社会になくてはならない会社となる"というビジョンを掲げている。これまでは,スマートフォン市場の拡大に支えられ,順調に売上・利益を成長させてきたが,今後は市場の拡大の鈍化に伴い,これまでのような成長が難しくなると予測している。そこで,B社の経営陣は今後の成長戦略を検討するよう経営企画部に指示し,同部のC課長が成長戦略検討の責任者に任命された。
〔環境分析〕
C課長は,最初にB社の外部環境及び内部環境を分析し,その結果を次のとおりにまとめた。
(1) 外部環境
- 国内のスマートフォン市場は成熟してきた。一方,海外のスマートフォン市場は,国内ほど成熟しておらず,伸びは鈍化傾向にあるものの,今後も拡大は続く見込みである。日本から海外への販売機会がある。
- 国内では,国内の競合企業に加えて海外企業の参入が増えており,競争はますます激しさを増している。これによって,多くの企業が市場を奪い合う形となり,価格も下がりaとなりつつある。
- 5Gによる通信,IoT,AIのような技術革新が進んでおり,これらの技術を活用したスマートフォンに代わる腕時計のようなウェアラブル端末や,家電とつながるスマートスピーカーの普及が期待される。また,医療や自動運転の分野で,新しい機器の開発が期待される。一方で,技術革新は急速であり,製品の陳腐化が早く,市場への迅速な製品の提供が必要である。
- スマートフォンは,機能の豊富さから若齢者層には受け入れられやすい。一方で,操作の複雑さから高齢者層は使用することに抵抗があり,普及率は低い。
- スマートフォンへの顧客ニーズは多様化しており,サービス提供のあり方も重要になっている。
- B社は自社の強みを製品の企画,開発,製造の一貫体制であると認識している。これによって,顧客ニーズを満たす高い品質の製品を迅速に市場に提供できている。また,単一の企業で製品の企画,開発,製造をまとめて行うことで,異なる製品間における開発資源などの共有を実現し,複数の企業に分かれて企画,開発,製造するよりもコストを抑えている。
- B社国内の販売に加えて海外でも販売しているが,マニュアルやサポートの多言語の対応などでノウハウが十分でなく,いまだに未開拓の国もある。
- B社はスマートフォンの新機能に敏感な若齢者層をターゲットセグメントとして,テレビコマーシャルなどの広告を行っている。広告は効果が大きく,売上拡大に寄与している。一方で,高齢者層は売上への寄与が少ない。
- B社は医療や自動運転の分野の市場には販売ルートをもっておらず,これらの市場への参入は容易ではない。
- 競合企業の中には製造の体制をもたない,いわゆるファブレスを方針とする企業もあるが,B社はその方針は採っていない。①今後の新製品についても,現在の方針を維持する予定である。
C課長は,環境分析の結果を基に,ビジネスbの一つである成長マトリクスを図1のとおり作成した。図1では,製品・サービスと市場・顧客を四つの象限に区分した。区分に際しては,スマートフォンを既存の製品・サービスとし,スマートフォン以外の機器を新規の製品・サービスとした。また,現在販売ルートのある市場の若齢者層を既存の市場・顧客とし,それ以外を新規の市場・顧客とした。 当初,C課長は,成長マトリクスを基に外部環境に加えて内部環境も考慮して検討した結果,②第2象限と第4象限の二つの象限の戦略に力を入れるべきだと考えた。しかし,その後③第4象限の戦略に関するB社の弱みを考慮し,第2象限の戦略を優先すべきだと考えた。
〔投資計画の評価〕
第2象限の一部の戦略については,すぐにB社で製品化できる見込みのものがある。内部環境を考慮すると,これについてもB社で企画,開発,製造を行うことで,dによるメリットが期待できる。
C課長は,この製品化について,複数の投資計画をキャッシュフローを基に評価した。投資額の回収期間を算出する手法としては,金利やリスクを考慮して将来のキャッシュフローをeに割り引いて算出する割引回収期間法が一般的な方法であるが,製品の陳腐化が早いので簡易的な回収期間法を使用することにした。また,回収期間の算出には,損益計算書上の利益に④減価償却費を加えた金額を使用した。製品化の投資計画は,表1のとおりである。 投資額は投資年度の終わりに発生し,利益と減価償却費は各年内で期間均等に発生するものとして,C課長は表1を基に,回収期間をf年と算出した。
設問1
本文及び図1中のa~dに入れる適切な字句を解答群の中から選び,記号で答えよ。
a に関する解答群
- 寡占市場
- ニッチ市場
- ブルーオーシャン
- レッドオーシャン
b に関する解答群
- アーキテクチャ
- フレームワーク
- モデル化手法
- 要求分析手法
c に関する解答群
- ウェアラブル端末の製品化
- 自動運転機器の製品化
- 提供サービスの細分化
- 未開拓の国への販売
d に関する解答群
- アライアンス
- イノベーション
- 規模の経済
- 範囲の経済
解答入力欄
- a:
- b:
- c:
- d:
解答例・解答の要点
- a:エ
- b:イ
- c:ウ
- d:エ
解説
〔aについて〕
本文より国内スマートフォン市場に関する記述を探すと、「国内では,国内の競合企業に加えて海外企業の参入が増えており,競争はますます激しさを増している。これによって,多くの企業が市場を奪い合う形となり,価格も下がり…」とあります。この説明を要約すると、『企業の新規参入が多く、競争が激化している』『価格競争に発展している』の二点となります。
このように、複数の企業が血みどろの競争を繰り広げている市場のことを、血の赤になぞらえて「レッドオーシャン」といいます。
∴a=エ:レッドオーシャン
〔bについて〕
「ビジネスbの一つである成長マトリクスを図1のとおり作成した」とあります。図1の成長マトリクスは、ビジネスフレームワークの一つで、縦横を組み合わせた市場に対して、どの様なサービス・製品を投入していくかという戦略を練る際に用います。フレームワークとは、「枠組み」「骨組み」「構造」などといった意味があり、物事を考える際のテンプレートの役割があります。3C分析、ファイブフォース分析、PEST分析、VRIO分析、バリューチェーン分析、バランススコアカードなども経営戦略立案のためのビジネスフレームワークです。
∴b=イ:フレームワーク
〔cについて〕
cは図1の成長マトリクス内の第1象限に属しています。つまり、既存市場に対して、既存の製品・サービスですべきことを指しています。B社の既存製品・サービスとは、スマートフォンの企画,開発,製造,販売です。
〔dについて〕
dについて逆説的に考えると、「内部環境を考慮し、B社で企画,開発,製造を行うことで、メリットをもたらすもの」であると言えます。また、直前の文章には「第2象限の一部の戦略については,すぐにB社で製品化できる見込みのものがある」とあり、『既存市場、新規製品』について、『B社で企画,開発,製造を行う』計画であると考えられます。ここで内部環境を見ると、「B社は自社の強みを製品の企画,開発,製造の一貫体制であると認識している。…また,単一の企業で製品の企画,開発,製造をまとめて行うことで,…,複数の企業に分かれて企画,開発,製造するよりもコストを抑えている」とあります。すなわち、自社内で、異なる製品間における開発資源(製造機械やシステム、ノウハウ)などを共有することにより、新製品の企画,開発,製造のコストを抑え、迅速に市場に供給することが可能であると考えられます。
このように、共通の生産設備を使って生産する製品の種類を増やしたり、同一の顧客に提供する商品範囲を広げたりすることで、費用を節減しながら収入を増やせる経済的効果を「範囲の経済(性)」といいます。
∴d=エ:範囲の経済
本文より国内スマートフォン市場に関する記述を探すと、「国内では,国内の競合企業に加えて海外企業の参入が増えており,競争はますます激しさを増している。これによって,多くの企業が市場を奪い合う形となり,価格も下がり…」とあります。この説明を要約すると、『企業の新規参入が多く、競争が激化している』『価格競争に発展している』の二点となります。
このように、複数の企業が血みどろの競争を繰り広げている市場のことを、血の赤になぞらえて「レッドオーシャン」といいます。
∴a=エ:レッドオーシャン
- 寡占市場は、少数の企業によって、製品やサービスが提供されている市場を指します。具体的な例を挙げると、日本の車市場(トヨタ、日産、スズキなど)が挙げられます。
- ニッチ市場は、小さいながらも一定のニーズ(需要)を持つ市場です。この市場をターゲットにする戦略をニッチ戦略と言います。
- ブルーオーシャンは、競争相手のいない平和な市場を指します。競争相手が少ないので、企業は利益を上げやすいと言えます。レッドオーシャンとは反対になる言葉です。
- 正しい。レッドオーシャンは、既存企業が激しく競争している市場を指す言葉です。
〔bについて〕
「ビジネスbの一つである成長マトリクスを図1のとおり作成した」とあります。図1の成長マトリクスは、ビジネスフレームワークの一つで、縦横を組み合わせた市場に対して、どの様なサービス・製品を投入していくかという戦略を練る際に用います。フレームワークとは、「枠組み」「骨組み」「構造」などといった意味があり、物事を考える際のテンプレートの役割があります。3C分析、ファイブフォース分析、PEST分析、VRIO分析、バリューチェーン分析、バランススコアカードなども経営戦略立案のためのビジネスフレームワークです。
∴b=イ:フレームワーク
〔cについて〕
cは図1の成長マトリクス内の第1象限に属しています。つまり、既存市場に対して、既存の製品・サービスですべきことを指しています。B社の既存製品・サービスとは、スマートフォンの企画,開発,製造,販売です。
- ウェアラブル端末は、本文中で「スマートフォンに代わる…」と説明されているように、スマートフォンと同じ市場と考えられますが、これから需要が期待される製品でありB社では新たな製品開発が必要です。既存製品ではなく新規製品ですので、第2象限に該当します。
- 自動運転機器は、これから需要が期待される製品であり、新規製品です。また、B社にとって既存市場ではなく新規市場で勝負することになるので、第4象限に該当します。
- 正しい。提供サービスの細分化は、現在提供しているサービスを、きめ細かく細分化するということです。本文中に「スマートフォンへの顧客ニーズは多様化しており,サービス提供のあり方も重要になっている」とあるように、サービス提供で他社と差別化する戦略が考えられます。既存市場において既存製品のサービス充実を図るので、第1象限に該当します。
- 未開拓の国への販売は、海外のスマートフォン需要の伸びを見込んで海外市場での販売を強化するということです。既存製品を新規市場に展開するので、第3象限に該当します。
〔dについて〕
dについて逆説的に考えると、「内部環境を考慮し、B社で企画,開発,製造を行うことで、メリットをもたらすもの」であると言えます。また、直前の文章には「第2象限の一部の戦略については,すぐにB社で製品化できる見込みのものがある」とあり、『既存市場、新規製品』について、『B社で企画,開発,製造を行う』計画であると考えられます。ここで内部環境を見ると、「B社は自社の強みを製品の企画,開発,製造の一貫体制であると認識している。…また,単一の企業で製品の企画,開発,製造をまとめて行うことで,…,複数の企業に分かれて企画,開発,製造するよりもコストを抑えている」とあります。すなわち、自社内で、異なる製品間における開発資源(製造機械やシステム、ノウハウ)などを共有することにより、新製品の企画,開発,製造のコストを抑え、迅速に市場に供給することが可能であると考えられます。
このように、共通の生産設備を使って生産する製品の種類を増やしたり、同一の顧客に提供する商品範囲を広げたりすることで、費用を節減しながら収入を増やせる経済的効果を「範囲の経済(性)」といいます。
∴d=エ:範囲の経済
- アライアンスは企業同士の連携を表す言葉です。企業合併や資本提携、販売提携など連携の強さもスタイルも様々なものがあります。
- イノベーションは、「新機軸」や「技術革新」という意味で、今までにない画期的なアイデアから新たな価値を創造されたり、大きな技術革新が起こったりすることをいいます。
- 規模の経済は、同一製品を生産するとき、生産規模を拡大するほど生産性や経済効率が向上し、利益率が高くなることをいいます。スケールメリットと呼ばれます。
- 正しい。
設問2
〔環境分析〕について,本文中の下線①の目的を解答群の中から選び,記号で答えよ。
解答群
- 資金を開発投資に集中したい。
- 製造設備の初期投資を抑えたい。
- 製品のブランド力を高めたい。
- 高い品質の製品をコストを抑えて製造したい。
解答入力欄
- o:
解答例・解答の要点
- o:エ
解説
下線①を要約すると、現在の方針を維持する=ファブレス方針とはしないということです。この目的として、適切な選択肢を選びます。
- 一般的に、ファブレス戦略を採る場合の考え方です。
- 一貫体制では、自社で製造設備を保有するので、新製品開発に当たり設備投資関連の初期投資が増えます。
- 一貫体制でものづくりをしても、ブランド力が高まるとは言い切れません。
- 正しい。B社では一貫体制によって、「顧客ニーズを満たす高品質製品の迅速な提供」「コスト低減」を実現しています。これは競合他社と比較したB社の強みですので、市場競争力を高めるために、今後もこの強みを活かした方針を維持することにしていると判断できます。
設問3
〔成長戦略の検討〕について,(1),(2)に答えよ。
解答入力欄
解答例・解答の要点
- 企画から製造の一貫体制を強みに,低コストで高品質の製品にできるから (33文字)
- 医療や自動運転の市場には販売ルートがないこと (22文字)
解説
- 説問には次の3つの条件がありますので、整理して考えます。
- なぜ第2象限と第4象限の二つの象限の戦略に力を入れるべきだと考えたか
- 内部環境上の理由
- 積極的であること
つまり、新規製品についても、他社に比べ、低コストで高品質のものを開発・製造可能な体制があり、十分に市場シェア獲得を目指せる内部環境を考慮して「第2象限と第4象限の二つの象限の戦略に力を入れるべきだと考えた」と言えます。
∴企画から製造の一貫体制を強みに,低コストで高品質の製品にできるから - 「第4象限の戦略に関するB社の弱み」について考えます。
第4象限の戦略は、新規市場に新規製品を投入することです。図1の第4象限には、医療機器の製品化が該当しています。ここで内部環境を見ると、「B社は医療や自動運転の分野の市場には販売ルートをもっておらず,これらの市場への参入は容易ではない」という記述があり、これは、新規製品を新規市場へ投入することが困難であると言い換えることができます。したがって、これが「第4象限の戦略に関するB社の弱み」であると言えます。
∴医療や自動運転の市場には販売ルートがないこと
設問4
〔投資計画の評価〕について,(1)~(3)に答えよ。
- 本文中のeに入れる適切な字句を6字以内で答えよ。
- 本文中の下線④の理由を,"キャッシュ"という字句を含めて,30字以内で述べよ。
- 本文中のfに入れる適切な数値を求めよ。答えは小数第2位を四捨五入して,小数第1位まで求めよ。
解答入力欄
- e:
- o:
- f:
解答例・解答の要点
- e:現在価値 (4文字)
- o:減価償却費はキャッシュの移動がない費用だから (22文字)
- f:2.2
解説
- 割引回収期間法は、将来得られる利益を現在価値に割り引いて、投資額がどのくらいの期間で回収できるかで投資評価を行う手法です。
現在価値に割り引くとは、将来のお金を現在のお金の価値に換算することです。現在10,000円持っていて2%で運用すれば来年には10,200円になっているはずです。つまり、将来的に得られる10,200円は現在の10,000円と同じ価値と考えることができます。数年間にわたる投資評価では、この考え方に基づき、将来得られる利益を一定の割引率で現在価値に変換して考察するのが一般的です。
6文字以内という制限ですので「正味現在価値」でも問題ないでしょう。
∴e=現在価値 - 減価償却費とは、会計の「費用収益対応の原則」に基づき、初期投資額を実際の使用期間にわたり分割して費用化する仕組みです。本問では、実際の支出(キャッシュアウト)は投資年度の1,000百万円ですが、初年度に全て費用計上するのではなく200百万円を5年間に分割して費用化する形になります。
減価償却費は損益計算書に費用として計上されますが、その期中にキャッシュの流出のない非現金支出費用なので、回収期間を計算する場合は、会計上の利益(税引き後純利益)に減価償却費相当額を加えた金額をキャッシュインとして捉える必要があります。
∴減価償却費はキャッシュの移動がない費用だから - 本問では、簡易的な回収期間法なので現在価値に割り引く必要がありません。つまり、投資額の1,000百万円を何年で±0にできるか計算すれば良く、「利益と減価償却費は各年内で期間均等に発生するものとして」とあることから、端数は日割り計算で良いことになります。
- 1年目:▲1,000+(200+200)=▲600
- 2年目:▲600+(300+200)=▲100
- 3年目:(300+200)が100より大きいため日割り計算します。「100÷500=0.2」ですから0.2年です。
∴f=2.2