応用情報技術者過去問題 令和6年秋期 午後問2
⇄問題文と設問を画面2分割で開く⇱問題PDF問2 経営戦略
コーヒーチェーン店の成長戦略に関する次の記述を読んで,設問に答えよ。
Q社は,コーヒーチェーン店を運営している。喫茶店業態に進出して以来,落ち着いた空間を提供することで急速に店舗を増やし,現在は全国に店舗を展開している。しかし,ここ3年は,経営環境の変化によって成長が鈍化しており,不採算店も増えている。Q社の経営企画,マーケティング及び人事を統括するR常務は,この状況に危機感を抱き,利益を伴う成長戦略を策定するために,経営企画部のS課長をリーダーとする戦略策定チームを編成した。なお,S課長は,店舗業務の標準化を推進する店舗統括本部の課長も兼務している。
Q社は,"おいしいコーヒーでゆっくりくつろげる喫茶店"というブランドを掲げ,交通至便な立地に店舗を構え,店内には仕切りがついたテーブル席を設けるなど,設備投資に注力してきた。Q社の利益は2回以上来店したことのあるリピート客を含む延べ来店客数に比例しており,成長率は新規来店客数に比例している。しかし,ここ3年は,延べ来店客数に占めるリピート客数の割合であるリピート率も新規来店客数も低下していた。
〔Q社を取り巻く環境〕
Q社では,従前から,顧客満足度調査と従業員満足度調査を行っている。そこで,S課長は,戦略の立案に当たり,顧客の視点及び従業員の視点で分析を行った。
まず顧客の視点で経営環境を分析した。
次に,S課長は,従業員の視点で経営環境を分析した。
S課長は,これまでの分析の結果を基に,成長戦略の基本方針を次のとおり定めた。
〔Q社内のサービス品質の改善〕
S課長は,自社内のサービス品質を改善するため,店長への研修を実施することにした。研修の内容は,店長の360度評価の結果を基に,店長に対してeに気付かせ,行動改善につなげるものとし,部下との対話の場面を想定した次の具体的な演習を行う。
R常務は,この報告を受け,"君の策定した戦略は,よく考えられていて,納得できた。そのアプローチは本当に良いと思う。"とS課長にfを示した上で,すぐに経営会議に付議し,成長戦略を推進することを約束した。
Q社は,コーヒーチェーン店を運営している。喫茶店業態に進出して以来,落ち着いた空間を提供することで急速に店舗を増やし,現在は全国に店舗を展開している。しかし,ここ3年は,経営環境の変化によって成長が鈍化しており,不採算店も増えている。Q社の経営企画,マーケティング及び人事を統括するR常務は,この状況に危機感を抱き,利益を伴う成長戦略を策定するために,経営企画部のS課長をリーダーとする戦略策定チームを編成した。なお,S課長は,店舗業務の標準化を推進する店舗統括本部の課長も兼務している。
Q社は,"おいしいコーヒーでゆっくりくつろげる喫茶店"というブランドを掲げ,交通至便な立地に店舗を構え,店内には仕切りがついたテーブル席を設けるなど,設備投資に注力してきた。Q社の利益は2回以上来店したことのあるリピート客を含む延べ来店客数に比例しており,成長率は新規来店客数に比例している。しかし,ここ3年は,延べ来店客数に占めるリピート客数の割合であるリピート率も新規来店客数も低下していた。
〔Q社を取り巻く環境〕
Q社では,従前から,顧客満足度調査と従業員満足度調査を行っている。そこで,S課長は,戦略の立案に当たり,顧客の視点及び従業員の視点で分析を行った。
まず顧客の視点で経営環境を分析した。
- 近年,持続可能な開発目標(SDGs)で定められた目標の一つである"持続可能な消費と生産のパターンを確保する"への理解が進むに従い,環境や倫理を重視する製品やサービスを購入するという意識がZ世代の消費者の間で高まっている。Q社はこのような高い社会意識をもった消費者を取り込めていない。
- 競合コーヒーチェーン店(以下,競合店という)が新規出店した近隣のQ社の店舗では,来店者が急激に減少している。競合店は,商品知識が豊富で親しみやすい接客に定評があり,顧客満足度が高い。競合店は,コーヒーの淹れ方をマニュアル化して全従業員を定期的に教育したり,社外の講師を呼んで接客スキルやセルフリーダーシップのスキルを高める研修を実施したりするなど,従業員育成への投資を重視している。
- Q社は,有機農法で栽培するなど,環境に配慮した生産者から直接調達した高品質なコーヒー豆を使っていて,味や香りが良いコーヒーに定評があった。ただし,最近の顧客満足度調査では,"店によってコーヒーの味にばらつきがある","味や香りが以前よりも落ちている",といった顧客からの声が寄せられている。
次に,S課長は,従業員の視点で経営環境を分析した。
- 各店舗は店長をリーダーとする一つのチームとして運営されている。店長が部下にコーヒーの淹れ方や接客スキルなどを指導している。しかし,顧客が満足する品質のサービスを提供できるように部下を育成することまではできていない。全て店長の責任で部下の育成を行った上で,顧客が満足する品質のサービスを提供することには限界がある。
- 従業員は,コーヒーを淹れるスキルを高めたいと思ったり,接客の仕方を改善しようとしたりしているが,店長に相談したくても,なかなか対応してもらえていない。その結果,不満をもって辞めてしまう従業員が増え,従業員の定着率が低下してきている。
- 店舗統括本部の管理者,同僚の店長,店舗内の部下によって店長の360度評価を実施した結果,全般的に,店長の自己評価は高いが,部下からの評価はそれほど高くなく,両者の評価には大きなギャップがあった。
- 顧客へのサービス品質が高いチームは,従業員満足度が高く,それによってチームメンバーがやる気をもって自律的にスキルの向上を図っており,また,チームメンバーの定着率が高いという共通の特性がある。
- この特性を満たすためには,店長が,部下に対して共感することで,質問・相談しやすい環境を作ることが必要である。
S課長は,これまでの分析の結果を基に,成長戦略の基本方針を次のとおり定めた。
- 成長戦略を実現するために重点的に取り組むべきCSF(CriticalSuccessFactors:重要成功要因)とその因果関係を明確にする。これまでの分析の結果から,Q社の成長につながるCSF間の因果関係を,図1のQ社のサービスプロフィットチェーンにまとめた。その上で,働きやすい環境や人材育成制度の充実など,従業員が会社から受けるサービスの良さを表す"自社内のサービス品質"の向上を図る。
- 持続可能な成長を目指し,また,顧客のロイヤルティをより高めるために,ブランドを再構築する。新たに,"①私たちは,高い社会意識をもって,厳選された生豆と熟練の技術で淹れる香り深いコーヒーを提供します。"とブランドを定める。
- "ブランドの再構築"によって,自社の強みを生かし,弱みを補完して,競合店との差別化を図る。また,"初めて来店してから,店に来店しなくなるまでのc"を表すLTVを向上させることで,採算性を改善する。
〔Q社内のサービス品質の改善〕
S課長は,自社内のサービス品質を改善するため,店長への研修を実施することにした。研修の内容は,店長の360度評価の結果を基に,店長に対してeに気付かせ,行動改善につなげるものとし,部下との対話の場面を想定した次の具体的な演習を行う。
- 店長は部下に対して"教える","アドバイスする"ことはせず,"問いかけて聴く"という対話を重視する。
- 店長は部下に対するfを示すことで,部下から様々な考え方や行動の選択肢を引き出し,自律的な行動を促す。
R常務は,この報告を受け,"君の策定した戦略は,よく考えられていて,納得できた。そのアプローチは本当に良いと思う。"とS課長にfを示した上で,すぐに経営会議に付議し,成長戦略を推進することを約束した。
設問1
〔成長戦略の策定〕について答えよ。
- 図1及び本文中のa,図1中のbに入れる適切な字句を,本文中の字句を用いて,それぞれ8字以内で答えよ。
- 本文中の下線①について,S課長が新たにブランドを定めた背景となる要因は何か。機会と強みの観点からそれぞれ20字以内で答えよ。
- 本文中のcに入れる適切な字句を15字以内で答えよ。
- 本文中のdに入れる適切な字句を8字以内で答えよ。
解答入力欄
- a:
- b:
- 機会:
- 強み:
- c:
- d:
解答例・解答の要点
- a:従業員満足度 (6文字)
- b:顧客満足度 (5文字)
- 機会:環境や倫理に対する社会意識の高まり (17文字)
- 強み:環境に配慮した高品質なコーヒー豆の使用 (19文字)
- c:・顧客がQ社にもたらす利益 (12文字)
・顧客生涯価値 (7文字)
- d:リピート率 (5文字)
解説
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設問2
〔Q社内のサービス品質の改善〕について答えよ。
- 本文中のeに入れる適切な字句を20字以内で答えよ。
- 本文中のfに入れる適切な字句を3字以内で答えよ。
- 本文中の下線②について,店舗統括本部が,再構築したブランドを考慮して重点的に取り組むべき施策を,本文中の字句を用いて25字以内で答えよ。
解答入力欄
- e:
- f:
解答例・解答の要点
- e:自己評価と部下からの評価とのギャップ (18文字)
- f:共感 (2文字)
- 香り深いコーヒーの淹れ方のマニュアル化 (19文字)
解説
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